1987 Fender Japan Mustang MG69-60 / VWH 〜 Collectors Series Limited Edition 1st Reissue / SOLD OUT
( ほぼ同内容にはなりますが、記事内にてご紹介したムスタングプレイヤーで、かつお世話になった方々の代表曲などの動画はこちらの商品ページではなく、オーナーズブログに掲載しています。併せてご覧くださいませ。)
最初期型のFender Japan Mustang リイシューです。本家USAでは1984年のスポット生産「 84 Mustang 」が最終発売だった為、1987年の時点ではFender Mustangの新品は「この世に存在していない廃番モデル 」と言う状況でした。
この状況下でジャズマスターやジャガー同様に、本家USAに先駆けてMustangのリイシューが発売されたのはFender Japanが先でした。USAコロナ工場がようやく生産体制が整った…とも呼べる1987年の段階では、Fender Japanにて再生産されたムスタングやジャズマスター、ジャガーは、当初コレクターズシリーズリミテッドエディションとして発売されました。
JVシリアル時期の個体が存在しないFender Japan Mustangにとっては1986〜1987年の製造番号「 Eシリアル 」を持つ個体が最初期型になります。細字によるMADE IN JAPAN表記はフジゲン生産を示しており、歴史的に見ても「 Fender Mustang 」復刻はジャパンが先だった事は非常に重要なファクターと言えると思います。
( MG69-60のカタログ掲載は1989年。当然カタログ掲載される個体の画像も必要ですから…Eシリアル、1987年製と呼べる個体があって何の不思議もありません。リミテッドエディションのジャズマスターやジャガーはひとつ前のカタログにも掲載されていますから、その時点でムスタングの掲載は個体が無くて間に合わなかった…と筆者は考えています。そうなると必然的に1987年製Eシリアルがカタログ掲載されるべく製造された最初期モデルと認識して良いでしょう。1986年製もあり得るとは思いますが、カタログ掲載時期のタイミングからして、1987年製とするのが無難でしょう。ネックデイトはありません。)
日本ではChar人気によるFender Mustangに対する需要は70年代後半からありましたが、世界的に見たらカートコバーンが使用するまでは「 不人気モデル 」だった事は否めず、元来スチューデントモデルであった…と言う事実が「Fender Mustangが過少評価されていた 」原因のひとつでしょう。
Fender Mustangの魅力を引き出し、かつFender Mustangのポテンシャルを最大限に引き出したのは、もちろんカートコバーンではなくCharです。
Charのシグネイチャーモデル「 Free Spirits 」の製作の為に、前述した1984年以来となるUSAファクトリーによるMustang再生産が実現したのが2012年。全てのパーツの型をイチから起こすと言う部分から、高額にならざるを得なかった事情もあり、カスタムショップからの発売となりましたが、2020年のChar MustangはMade in Japanシリーズからの発売となりました。
確かに…グランジブームの中でNIRVANAのカートコバーンの使用で再度需要が高まった1990年代のマーケットを考えると、Kurtの功績もあるとは思うのですが、少なくともFender Mustang 本来の魅力は全く引き出していなかったのも事実で、「 単に市場価格が安かったから大改造して使うには最適な個体」に選ばれたと言うのが本当のところだと思います。
正に日本が世界に誇るCharだからこそ、Fender Mustangの魅力を最大限引き出すことが出来たのだと思います。
上記の「丸ごと一冊フェンダームスタング」の発売には、筆者も当時の勤め先にて積極的に協力させて頂きましたので、筆者自身も顔写真付きで掲載されています。
Charのインタビューはもちろん、当時非常にお世話になっていた野村義男氏や田中一郎氏のインタビューなども掲載された「フェンダームスタングの魅力」を伝えるべくして発行された書籍で、2001年ジャパンvs1964年ヴィンテージと言う企画記事もあります。
たまたま筆者の当時の勤め先が、この「丸ごと一冊フェンダームスタング 」に最も多くの個体を撮影用として貸し出したこともあり、Fender Mustangに対しては筆者自身、人一倍強い思い入れもあります。
だからこそ世界的に見てもMustangの再生産モデルとしては、このコレクターズシリーズリミテッドエディションの1987年製MG69-60がいかに貴重で、それまでは廃番モデルだったFender Mustangが正当な評価を受けるキッカケにもなったモデルと位置づけられると思います。
1987年コレクターズシリーズでは型番が示すようにMG69-60、69年型として1種類3カラーのみがリリースされています。
但し…実際のVintageに於いては、69年と言うイメージで真っ先に思い浮かぶのは…マッチングヘッド、コンペティションバーガンディラインの時期に当たるので「 この型番はどうなの?せめてMG68にしてCBSロゴにしなければいいのに…」って言うツッコミも入れたくはなりますが、あくまでフェンダージャパンとして〜と言う解釈で捉えれば、ワンアンドオンリーな仕様の個体がこのコレクターズシリーズリミテッドエディションのMG69-60と言えるでしょう。1987年当時のヴィンテージギターに対する認識や解釈からしたら、フェンダージャパンを責められないですけどね。
型番が示すように発売時の定価は60,000円です。ダイナミックヴィヴラートのトレモロユニットをイチから起こして製作したにも関わらず、スチューデントモデルとして発売されたムスタングの定価をこれ以上に設定したら「 売れなくなる…」と言う解釈もメーカーサイドにはあったのかも知れません。発売時価格も「充分にお値打ちな価格設定だった」と思っています。
じゃじゃ馬、の異名を欲しいままにしたムスタングは…「扱いが難しい故にスチューデントモデルどころか上級者向けだ!」とまで言われてしまう事も多々ありますが、それはこのダイナミックヴィブラートトレモロに起因することが殆どでしょう。
アクションは柔らかい…独特なアーミングプレイが可能…な反面、「 チューニングが一発で狂う 」とされるFender Mustang…
それは、Fender Mustangを充分に理解した上で適切なセットアップをすれば、ある程度は解消出来る事….と言う大前提からお話しさせて頂くと、Fender Mustangは工場出荷状態に程近い新品時点でのセットアップが「もっとも、じゃじゃ馬ではない状態 」となっています。( 84Mustangを含めた1964年〜1982年のUSA生産)
要するに仕様頻度が高い使い込まれたヴィンテージほど「 じゃじゃ馬比率」は一般的には高まります。きちんとしたセットアップが出来ない人が弄ったならば…にはなりますが。
それではここで、Mr.Mustang、Charのプレイを一度ご覧頂きたいと思います。じゃじゃ馬かどうか?も注意してご覧頂けたら…と思います。
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Char SMOKY 日本武道館
自分に言わせるならば…ムスタングプレイヤーとして?カートコバーンやジョンフルシアンテ辺りとCharを一緒にしていただいちゃ〜困ります!は大前提です。
当時の勤め先でも非常に懇意にして頂いた野村義男氏との雑談の中で、「 Charちゃん酷いんだよ〜 ?笑 遊びに行くとさ〜…弦も貼らずにソファにギターに放ってあるんだよ〜「 ダメだよ!こんなことしてたら反っちゃうよ!」って弦張り替えてセッティングとかやり出すとニヤニヤ笑ってるの。アレさ〜オレ来るの分かっててワザとやってるよねー?」って言う話も忘れられません。
もちろん前述した「 丸ごと一冊ムスタング」のインタビューでも話すべきだって雑談の中で伝えましたし、ツアーケースが無くてさ〜とか?ヨッちゃんがコレクションしているのを知っていたので…笑 Fender SWINGERは入荷があれば「野村氏の為に裏に隠してとっておいて」ご案内したりしてしました!
自分が2012年までの勤め先である大手LM楽器店に転職した際にも、たまたま4階のフロアで再会して…笑 「 えっ?今度こっちなの?」みたいな話しから雑談が盛り上がった思い出もありますね〜笑
(↑の見解は正しいと思っています。特にヴィンテージやレア物は…)
田中一郎氏にも大変お世話になりましたし、あの一冊の本の中には、Fender Mustangを愛するプレイヤー達や販売元のスタッフ達の愛情が詰まっている書籍でもあるんです。( 現在はHyper Guitarsに所属先を変えていますが、長島さんを始めとした販売店側サイドからの見解も、プレイヤー視点のミュージシャンサイドからの見解も楽しめる丸ごと一冊シリーズはギターグラフィック同様、ギター好きなら持っていて損のない内容となっています。)
自分のギターの師匠でもあるN氏がお店を辞めた時も…一郎さんが「 アレ?最近Nさん見ないね?」と仰った時の事も懐かしく思い出します。
自分が「 Nさん、ちょっと事情あって退社したんですよー」と田中一郎氏に伝えると…
「 残念だなぁ、Nさん上手かったもんね!たまにチョロチョロ弾いてるの聞こえて来たけど…やるなぁ〜って思ってたからさ〜笑 」
元ARB〜甲斐バンドの実績は言うまでもなく、あの伝説の番組「 イカすバンド天国 」の審査員でもあった一郎さんに「 上手いね!」と言わしめる楽器屋の店員が2020年現在、何人いるでしょう?
その自分にとってのギターの師匠でもあり、楽器屋としての人生を歩む上でも欠かせない先輩でもあったN氏から、自分が直伝された「 狂わないアームセットアップ !」
もちろん、「特別に!」この1987年製EシリアルMG69-60にも施しました。
N氏自身が現役時代( 元はプロギタリスト)に、あのESPの大間知氏から伝授された…と聞いている「 狂わないアームセットアップ!」
大間知さんと言えば…あの高崎晃( LOUDNESS )のギターも世話していた伝説の人物です。楽器業界で飯を食べて来た人間なら…知らない人はいないでしょう。
もしこのMG69-60を手にした上で….最低限のレクチャーをお客様にお伝えして、ご理解頂けたならば…?
「 オレのムスタングはじゃじゃ馬じゃないけどね!」って人に話すことも出来るでしょう。
Fender Mustangだけは、メルカリやヤフオクやら質屋やリサイクル系などで購入することはおススメしません。弦の張り方すら知らずに….どこかの商品ページからコピペしたような文章を書いて出品していたりします。
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↑あの〜…そう張っちゃいましたか?って最早、失笑を通り越す画像を平気で掲載してますから…
扱いずらいとか?じゃじゃ馬とか言われてしまうのはFender Mustangのせいじゃない….って言う部分もあるでしょう。
9thコードがムスタングなら、ピタッとハマった!という日本の至宝、Mr.Mustang / Char さんの言葉を借りるなら…
「 チューニングの狂わないMustangを持ったら無敵だぜ!」なんて言ってみたいものですよね!
1987 Fender Japan Mustang MG69-60は別な言い方をするならば…こと「 狂わないアームセット 」を施す分にはUSAのヴィンテージより楽でした。ナット溝も09〜42前提で切られていますので…あくまでもMustangを扱うならば、まずは工場出荷状態にリセットしてから、全ての調整をやり直す…が基本です。
逆に言うならば、リセットされた状態からでないと「 狂わないアームセット 」もスムーズに進みません。弦を張る際に弦自体をカットする位置も大事ですし、もちろん選ぶアームやちょっとしたパーツ交換は必要ですが…
じゃじゃ馬でないムスタングを手にした時…きっとFender Mustangはギタリストにとって武器になるでしょう!
乱暴な言い方にはなるかも知れませんが…アームを使わないならば…ムスタングである必要は無いと思いますし、このモデル最大の利点を生かしてこそのMustangプレイヤーだと自分は思っています。
一般的なユーズドのMG69と比べたら…決して安くはありませんが…武器になるMustangを求めている方には是非試して頂きたいとは思いますね。
この個体のプロモーション動画もご用意しようと考えています。
販売済み
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